北朝鮮でも、その時々の実力者が「ナンバー2」と言える役割を果たすことはある。しかしたとえナンバー2であっても、彼は「幹部」の中のひとりに過ぎず、独裁者との間には決して越えられない壁がある。
つまり朴槿恵大統領の演説は「独裁者」、すなわち金正恩党委員長だけを除外した、北朝鮮のすべての人々に対する呼びかけなのだ。そしてその狙いは、正恩氏を孤立させることにある。
こうしたメッセージを発しているのは、韓国だけではない。トム・マリノフスキー米国務次官補(民主主義・人権・労働担当)は、「いま北朝鮮で人権侵害に加担している連中は、世の中が変わったらどうなるか覚えていろよ。それが怖ければ今からでも生き方を変えることだ」という趣旨のことを言っている。
(参考記事:北朝鮮の虐殺責任者「必ず突き止める」…米国務次官補インタビュー)米韓がこうしたメッセージに込めているのは、北朝鮮が内部から変化することへの期待だ。