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北朝鮮当局は最近、密造酒や乾物類業者に対する統制を強化するために、国営の食糧加工場や一般住民に対して、集中的に取り締まりを行っている。

韓国の脱北者団体のNK知識人連帯の現地情報筋によると、10月13日付で「個人の密造酒と乾物類の製造を徹底的に禁止する」という方針が下され、集中的な取り締まりが始まった。

この方針では、密造酒と乾物類のために無駄使いされる穀物の量が全国的に年間100万トンを超えると指摘され、無駄使いを防ぐことが人民生活の向上のための愛国・愛民事業だと強調されているという。

ちなみに昨年、当局は無駄使いされる穀物の量は、毎日600トン、年間に直すと21万9000トンと主張していたが、いつの間にか4倍以上に膨らんでいる。

(参考記事:北朝鮮、密造酒取り締まりキャンペーンを展開

また、酒を飲んで騒いだりすることを「酒風」(スルプン)と呼ぶが、このような「社会主義的生活気風」に反する行為が蔓延していることを批判し、労働党や勤労団体が教育事業を強化すべきとも指示している。

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ちなみに、北朝鮮の朝鮮労働党出版社は2005年、「こんな酒の飲み方は間違っている」との文書を出し、「時と場所を選ばず飲み会を行なう」「肉体労働、動員、出張、訓練の後に酒を飲む」「業務時間に飲み会を行なう」ことなどを批判している。

(参考記事:北朝鮮の生活や食事の実態!富裕層と庶民の食生活を比較

平安北道保安局(県警本部に相当)は、経済監察課(監査組織)の検閲グルパ(取締班)を作り、取り締まりに乗り出した。所轄の保安署(警察署)が地域内の単位(職場、機関など)への取り締まりを行うと同時に、他の道の取締班がやって来て取り締まりを行う「交差検閲」の形で、12月まで行われる。

対象となっているのは工場や企業所で、家畜の餌として買い付けた穀物で酒を密造している食品加工工場や、お菓子や飴を作りつつ、酒も密造している個人業者だ。

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25日には、新義州の隣の龍川(リョンチョン)郡新巌里(シナムリ)の保安署が、6人の密造酒業者に対して家宅捜索を行い、酒を製造する機械と穀物を押収した上で、6人を連行した。

また、新義州市ガラス瓶工場の支配人は、食料加工班に指示して不法に家畜を飼い、密造酒業を行っていたという疑いで逮捕された。

情報筋は、今回の逮捕者ののほとんどが生活が苦しく商売の種銭すらない人々で、一連の取り締まりで住民からの反発が予想されると伝えた。