北朝鮮の食糧難には様々な要因があるが、最も根本にあるのが集団農業だ。共同農場では、一所懸命働いても働かなくても得られる作物の量は同じだ。また、収穫した作物のすべてが国に持ち去られることも少なくない。モチベーションが上がるわけがない。
北朝鮮当局は、家族に畑の管理を任せて収穫の一部を国に収めさせる「圃田担当制」を導入しているが、共同農場の枠組みを維持したままの中途半端な措置である上に、農場の幹部が全体の収穫量を大幅に水増しした数字を報告し、それを元に分配量を決めるため、実際に農民の手元には何も残らないケースも発生している。