し北朝鮮の内部資料が海外に流出する事態が多発している。今月初め、韓国の国民日報は、北朝鮮国内で行われている思想教育用の資料の内容を大きく報じた。

北朝鮮当局は、流出を防ぐための教育を行っている。しかし、その内容が正直すぎて、逆に流出を煽りかねない状況となっている。

内部資料を売りたい!

平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、当局は最近、住民を動員して開催した政治講演会で「南朝鮮(韓国)や中国に電話で連絡し、内部資料を流出させ、カネを受け取っている者が多く存在する」と警告を発した。

そこまでならいつも通りの内容なのだが、今回は少し様子が違った。会場で配られた講演提綱(レジュメ)に「やつらは、内部資料を売り渡した見返りに5000元(約7万8000円)を受け取っている」と書かれていたのだ。

5000元と言えば、コメが1160キロも買える大金。当然のように「売却希望者」が続出し、こんな本気とも冗談ともつかない話が行き交った。

「バレないんだったら、やってみよう。商売の元手が手に入るぞ」
「お上は、一般人の知らない耳寄りな情報を教えてくれた」
「外国に電話するだけで大儲けできるなんて、中国キャリアの携帯を持っている人がうらやましい」

この話は恐ろしい勢いで拡散。勤労動員、農村動員の現場など、人が集まるところでは「5000元」の話で持ちきりになった。やがて、この話は各地を行き来する行商人を通じて北朝鮮全土に拡散するに至った。

話を聞きつけた外国とは縁遠い人々も「情報売って一儲けしたい」などと興味を持ってしまったのだ。

金正恩党委員長は「海外への情報流出、海外からの情報流入」に神経を尖らせている。国境地帯の保衛部(秘密警察)などは、中国の携帯電話の電波に対して妨害電波を発射したり、携帯電話で外国と通話した者を逮捕するなど、取り締まりを強化している。

保衛部はその一方で、巨額のワイロを払うことを条件に逮捕者を釈放している。庶民にとっても、当局者にとっても、情報流出がいいカネになることには違いない。

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