北朝鮮の朝鮮中央通信社は16日、論評を通じて韓国が米軍の最新鋭高高度迎撃システム(THAAD 〈サード〉)の配置を決定したことを非難した。

論評は、「米国の『THAAD』配置策動は、地域の戦略的バランスを破壊し、直接的には中国とロシアを軍事的に制圧するためのものとして、アジア太平洋地域に新たな冷戦をもたらす危険極まりない軍事的動きである」と指摘。

そのうえで「最先端の攻撃的な打撃手段を十分に保有しているわが軍隊は、『THAAD』によって朝鮮半島が諸大国の力の対決場、新たな世界大戦の発火点になるまでそのまま放任しないであろう」と主張した。

朝鮮中央通信の報道全文は次のとおり。

新たな冷戦をもたらす危険極まりない軍事的動き

朝鮮中央通信社論評

【平壌7月16日発朝鮮中央通信】米国の全地球的なミサイル防衛(MD)システム構築の一環である「THAAD」の南朝鮮への配置がとうとう決定されて、国際社会の深刻な懸念を呼び起こしている。 今、米国は「THAAD」システムの南朝鮮への配置に関してわれわれの「核・ミサイル脅威」に対してだけ運用される「防御的手段」という、言葉にもならない詭(き)弁を流して朝鮮半島周辺諸国の反発を静めるためにやっきになっている。

しかし、世界の平和と安定の破壊者としての米国の侵略的本性は何によっても隠すことはできない。

米国の「THAAD」配置策動は、地域の戦略的バランスを破壊し、直接的には中国とロシアを軍事的に制圧するためのものとして、アジア太平洋地域に新たな冷戦をもたらす危険極まりない軍事的動きである。

猛スピードで発展しているアジア諸国、特に地域諸大国の軍事的攻撃力をMDシステムで無力化させ、地域における政治的・経済的・軍事的統制権を確立しようとするのが米国の下心である。

「THAAD」の南朝鮮への配置はすなわち、米国のアジア太平洋支配戦略の本格的な実行とつながっている。

「THAAD」システムの展開を始点にしてアジア太平洋地域で軍備競争と新たな冷戦の気流がさらに本格化している。

朝鮮半島の周辺諸国は「THAAD」の南朝鮮への配置に高度の警戒心と強い懸念を表し、それに対応する軍事力の強化に力を入れている。

中国とロシアは、「THAAD」が地域の戦略的バランスと自国の戦略的安全利益を深刻にき損するとして、それを中断させるための全防衛的な攻勢に出ている。

「THAAD」の射程に対抗して指定された目標を打撃するための軍事力の再配置など、当面のミサイル計画が推進されている。

現実がこうであるにもかかわらず、米国がいまだに「THAAD」の配置がわが軍隊が保有した各種のロケットとその試射が南朝鮮とアジア太平洋全地域の安保に「深刻な脅威」になるため、それに対処する「不可避な選択」だと誰かを欺まんするのは愚かなことである。

ロシア科学アカデミー極東問題研究所政治研究・予測センター長のアンドレイ・ウィノグラドフ氏は、次のように述べた。 》 「米国が共和国の脅威から南朝鮮を保護するというのは口実にすぎない。欧州へのMDシステム配備が論議される時にはイランの脅威を防止するためのものだとした。現在、イランの核問題が妥結されたが、ルーマニアとポーランドにはMDシステムが引き続き配備されている。朝鮮半島への『THAAD』配備もこれと同じである」

米国がこんにちの世界が自国の主観と欲望によって変わると思うなら、それより愚かなことはない。

わが共和国を第1次的攻撃目標にして侵略的な戦争演習と武力増強、軍事同盟の作り上げに狂奔すると同時に、アジア太平洋地域で軍事的覇権を維持し、支配主義的野望を実現しようとする米国の企図は実現されない。

「THAAD」が公然とわが共和国を狙っているだけに、わが軍隊の視野から絶対に逃れられない。

最先端の攻撃的な打撃手段を十分に保有しているわが軍隊は、「THAAD」によって朝鮮半島が諸大国の力の対決場、新たな世界大戦の発火点になるまでそのまま放任しないであろう。

「THAAD」は、われわれの自衛的権利の行使をより正当化し、好戦狂らの悲惨な末路を自ら早める結果だけをもたらすことになるであろう。

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