平壌の食品会社が、地方のマーケットに殴り込みをかけたのは、「忠誠の資金」つまり金正恩氏への上納金を確保するためだ。北朝鮮当局は、各地にトンジュ向けのレストランや店、レジャー施設を次々と建設している。消費を煽ることで、トンジュの懐にある外貨を引き出す目的だ。それだけでは充分ではなかったのか、今度は庶民の懐を狙いを定めたようだ。
それにしても、1本1000北朝鮮ウォン(約13円)のエスキモーを売って、統治資金を確保するとは、随分悠長な話だ。そもそも、外貨不足であたふたする前に、金正恩党委員長をはじめとする、指導層の分不相応な贅沢行為を改めるべきだろう。
(参考記事:核実験の裏でマグロにビール…贅沢三昧の北朝鮮指導層)高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。