海外に住む脱北者約3万人の半分が、毎月1000ドルずつ北朝鮮に送金したと仮定すると、総額は15万ドル(約15億3000万円)に達する計算になる。
韓国の脱北者団体「NK知識人連帯」によると、北朝鮮の内部文書には、額は明らかにされていないが、「脱北者からの送金は32の郡の人々に食料を与えられるほどの額だ」と記されているという。
北朝鮮に送金されたカネの一部がワイロや強制募金、上納金の形で当局の手に渡ることは事実だ。一方で、送金された外貨が市場に流れ込み、北朝鮮の「草の根市場主義化」を拡大させ、北朝鮮を内部から変えるという重要な役割を果たしている。
北朝鮮当局もそのことをわかっているのか、昨年秋に「脱北者からの送金を取り締まるな」との内部指示を出しているとNK知識人連帯が伝えた。
しかし、なぜか北朝鮮の秘密警察「国家安全保衛部」は、大々的な取り締まりをはじめている。