パキスタン駐在の北朝鮮外交官が、酒類を違法に大量購入して摘発されたことが明らかになった。米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じた。

この外交官は、パキスタンのカラチにある北朝鮮貿易参事部に勤務するコ・ハクチョル三等書記官だ。

情報筋によると、コ氏は昨年5月27日午後8時半ごろ、「CC-66-06」ナンバーの外交官車両を運転し、立ち寄ったカラチ市内のジェネラル・ボンド免税店で、法で定められた量を超える酒類を購入した。車に載せて駐車場を出ようとした瞬間に、現地の税務警察に呼び止められた。

危険行為で連行

税務警察はパキスタン政府発行の酒類購入証明書の提示を要求したが、コ氏は一般の酒類免税購入承認書類を見せて、酒類の購入は外交官特権であると主張した。書類に記載されていないウィスキー、ウォッカなどが大量に積まれているのを発見した税務警察は、コ氏に任意同行を求めた。

それに応じたコ氏は、前後を税務警察の車に挟まれた状態で車を運転していたが、途中で急停車した。危険行為と判断した税務警察は、彼を車から降ろし、パトカーに乗せて連行した。

取り調べの過程で、許可された量を超えたウィスキー10数箱を押収したが、外交官であることを考慮して、午後10時半ごろに釈放した。

コ氏と上司のカン・ソングン貿易参事は、後日開かれたカラチ税務当局の調査委員会に出席し、税務警察が外交官の不逮捕特権を定めたウィーン条約に違反し、外交官を逮捕、暴行したと主張し、担当者の処罰と再発防止を要求した。

それに対して税務当局のアフマド・ジャミル氏と、調査委員のシャビエル・シャイク氏は、北朝鮮外交官が駐在国の法を犯し、酒類を違法「販売」したことが判明したと述べ、購入より「販売」が事件の本質であると述べた。また、それに比べて不逮捕特権違反は大したことではないと税務当局は説明している。

「密売加担」報道相次ぐ

カン参事は、4月29日に許可された量の2倍近い855箱の酒類を輸入しようとして、カラチ東部税関に摘発されている。

パキスタン政府は、北朝鮮との関係を考慮して、外交官の違法行為を積極的に取り締まろうとしていないが、国連安保理で採択された対北朝鮮制裁2270に伴う国内措置を発表しており、今後の動きが注目される。

イスラム教徒が人口の96%を占めるパキスタンでは、1977年から厳しいアルコール規制を導入している。酒類の販売、購入、消費は、証明書を持った非イスラム教徒や外国人に限られ、1ヶ月に購入できる量は蒸留酒5本、ビール100本以下だ。

国内には酒類が販売できるのはわずか60店舗しかなく、密売が大々的に行われているが、北朝鮮外交官がそれに加担しているとの報道が相次いでいる。

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