北朝鮮当局が、漁船の出港に厳しい制限をかけたため、多くの船が漁に出られず、漁業だけでなく地域経済に支障が出ていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。
RFAの咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は語る。
「保衛部(国家安全保衛部=秘密警察)は今年3月から、無線設備を有する数百馬力の大型船以外の出漁を制限しはじめた。漁師に対して徹底的な身分調査をするだけでなく、小型ラジオの所持までチェックする」
小型ラジオは、零細漁業者にとって命綱のようなものだ。漁民たちは、韓国のKBS第1ラジオで放送される「気象通報」を聞き、航路の波の高さ、悪天候を必ず確かめる。北朝鮮の天気予報は誤報が多く、信用できないからだ。
さらに、「気象通報」だけを聞くわけではない。