北朝鮮では、先月開催された朝鮮労働党第7回大会を前にして大増産運動「70日戦闘」が展開された。住民は、連日、建設現場などに大々的に動員され、市民経済と生活面で様々な悪影響が表れた。

70日戦闘は5月2日に終わったが、北朝鮮当局は、今度は「200日戦闘」を行うと宣言した。期間は、6月1日から金正日総書記の命日である12月17日までだ。

200日戦闘は、党大会で金正恩党委員長が提示した国家経済発展5ヵ年戦略を実現するためのキャンペーンと見られる。しかし、具体的な数値、期間などは示されず、聞こえてくるのは「総動員」「決死貫徹」などのスローガンばかりだ。

また、「経済発展」をうたいながら、実際に行っているのは思想学習だ。

中央機関から地方の工場、企業所、教育機関に至るまで「党7回大会報告」の学習会が連日開催されている。当日の課題は、夕方に始まる学習会までに、報告を暗唱できるようにしなければならず、仕事や学業そっちのけで暗記ばかりしているという。

北朝鮮当局は70日戦闘の期間中、動員の弊害になるとの理由で結婚式などの祝い事を禁止した。さらに、市場の営業時間も午後だけに制限するなどしたため、経済活動に大きな支障をきたした。

200日戦闘でも祝い事や経済活動が制限される可能性があることから、住民の間からは「毎日戦闘ばかりやって何になるんだ」「人民の血を絞り取るだけの戦闘をなんでこんなにやるんだ」などと、不平不満が続出。

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、ある住民は「戦闘(70日戦闘)で始まり、戦闘(200日戦闘)でおわる1年」「人民の我慢にも限界がある」と怒りを露わにする。同様の声は、幹部の間からも聞こえてくるという。

そもそも、70日戦闘においても、北朝鮮当局が喧伝するような目立った成果はないという。

党大会に向けて無理に工事を進めた白頭山英雄青年3号発電所は、完成からわずか10日で水漏れを起こし、ダムの止水壁が一部崩壊した。白頭山観光鉄道でも、無理な工事で労災事故が多発、多くの死者を出したが、結局党大会には間に合わなかった。

これでは、金正恩氏が提唱する「全人民の科学技術人材化」も「経済強国の建設」も、実現は遠のくばかりだ。

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