北朝鮮の朝鮮中央通信は今月1日、「一部の大国まで米国の卑劣な強迫と要求に屈従」「血でもって成し遂げた共同の獲得物である貴重な友誼関係もためらうことなく投げ捨て」などと、名指しを避けながらも中国を非難した。

北朝鮮国内で開かれる政治講演会でも、中国批判が展開されている。

朝鮮労働党第7回大会の前に「一心団結は必勝の宝剣だ」というテーマで行われた講演会では、金正恩党委員長を「帝国主義者と修正主義者(中国)のありとあらゆる挑戦にも揺らぐことなく核強国を打ち立てた絶世の偉人」と褒めちぎりつつ、中国を批判した。

大会後の今月11日に行われた講演会「最近、醸成された情勢について」でも「またもや修正主義の道を歩んでいる中国の当局者たちは、わが共和国(北朝鮮)を抹殺しようとする帝国主義者の手先に成り果てた」と語られた。

しかし、北朝鮮当局の反中姿勢に対して、一般住民のみならず、幹部からも疑問の声が噴出している。

慈江道(チャガンド)の情報筋は、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の電話取材に、逆に次のような質問を投げかけたという。

「国連が決定したという対北朝鮮制裁というのは一体何だ?」
「講演会で『米帝をはじめとする帝国主義者たちが行っている対北朝鮮制裁策動に、中国も乗っかっている』と聞いたが、それは本当か?」

つまり、講演会では国際社会の制裁や中国の同調姿勢について、詳細が語られていないのだ。海外情報に触れられない人々は、自国が置かれている状況を把握できていない。同時に、疑問や好奇心を掻き立てられるようだ。

一方、両江道(リャンガンド)の情報筋は、「恵山(ヘサン)の税関を通じて中国への鉱物輸出が続けられているというのに、当局が中国を非難する理由がわからない、度を越している」と、地方幹部たちですら首を傾げているという。

さらに、「中国を非難するのは、金正恩氏が政権についてから5年も経つのに、未だに招待してくれないことへの当て付けだろう」「北朝鮮は、中国なしには1日たりとも持ちこたえられないのにどうして非難するのか?」など、当局を批判する地方幹部の声を伝えた。

北朝鮮当局の発表や講演会、指示は、住民に伝えたい内容ばかりで、住民が知りたがる内容が欠落していることが多い。そのため、逆に好奇心を煽り、噂やデマへと発展、社会不安を引き起こしてしまうのだ。

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