北朝鮮で開催されている朝鮮労働党第7回大会の重要な焦点として、筆者は、1990年代後半に北朝鮮を襲った未曾有の経済危機、いわゆる「苦難の行軍」を、金正恩氏がどのように総括するのかという問題を指摘した。この出来事がきっかけとなり、北朝鮮の庶民経済がほとんど資本主義化するなど、きわめて大きな変化が起きているからだ。

(参考記事:金正恩氏は「大量餓死」を党大会で総括できるのか

数十万人から100万人以上の餓死者を生み出したとも言われている「苦難の行軍」は、体制の農業指導の欠陥による慢性的な食糧不足に加え、冷戦構造の崩壊により東側ブロックからの支援を失ったことや、1995年から立て続けに自然災害に見舞われことが主な要因だ。

「核の暴走」の遠因

しかし、この時期の大量餓死は、それを防ぐ手立てがなかったわけではない。