北朝鮮の最高裁は29日、スパイ容疑で拘束していた韓国系米国人男性の金東哲(キム・ドンチョル)氏に10年の労働教化刑を言い渡した。朝鮮中央通信が報じた。

金氏は中国の吉林省延吉市から北朝鮮の羅先市に通勤し、貿易やホテル運営を行う会社を経営していたとされる。北朝鮮が4回目の核実験を行った後の1月11日、米CNNテレビが拘束の事実を報道。3月には北朝鮮当局が外国メディアなどを集めて行った平壌での記者会見で、自らの罪を認めていた。

同通信は、「被告は、朝鮮に対する敵対感を持って共和国の最高の尊厳と政治体制を悪らつに謗り、体制転覆のために策動し、南朝鮮のかいらいに朝鮮の党・国家・軍事機密を収集、提供する国家転覆陰謀行為とスパイ行為を働いた犯罪事実について全部認めた」としている。

同通信の報道全文は次のとおり。

【平壌4月29日発朝鮮中央通信】4月29日、朝鮮の最高裁判所で国家転覆陰謀行為とスパイ行為を働いて摘発、逮捕された米国公民の金東哲に対する裁判が行われた。

これには、各階層の人々が参加した。

裁判では、朝鮮民主主義人民共和国刑法第60条(国家転覆陰謀罪)、第64条(スパイ罪)に該当する被告金東哲の事件記録を検討し、犯罪事実を確定した起訴状が提出され、事実審理があった。

審理の過程に被告は、朝鮮に対する敵対感を持って共和国の最高の尊厳と政治体制を悪らつに謗り、体制転覆のために策動し、南朝鮮のかいらいに朝鮮の党・国家・軍事機密を収集、提供する国家転覆陰謀行為とスパイ行為を働いた犯罪事実について全部認めた。

続いて、被告の犯罪行為を立証する証人らの陳述があり、証拠資料が提示された。

検事は論告で、被告の犯罪はわれわれの社会主義制度を転覆する目的の下で働いた犯罪なので当然、朝鮮民主主義人民共和国の法に準じて峻(しゅん)厳な審判を受けなければならないとし、本裁判に被告に労働教化刑15年を科することを提起した。

弁護人は弁論で、被告がわが祖国と民族にとうてい許されない重大な犯罪行為を働いたが、彼が年取ったことを考慮して、また今後、自分の犯罪行為がどんなに愚かだったのかを自ら感じ、強盛、繁栄する社会主義朝鮮の真の姿を直接体験できるように検事側が提起した労働教化刑を減らして判決してくれることを本裁判に提起した。

裁判では、被告に労働教化刑10年を言い渡した。―――

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