北朝鮮の核実験と長距離弾道ミサイルの発射をめぐり、国連安保理で3月2日に採択された対北朝鮮制裁決議「2270」では、多額の現金を北朝鮮に持ち込むことを規制している。

これに対抗して、北朝鮮は現金を小分けにして職員に運ばせる手法などを使いながら「制裁破り」を行っているが、海外で摘発される事例が相次いでいる。

摘発され財務大臣に抗議

中国当局は3月4日、多額の現金を北朝鮮に持ち込もうとしていた北朝鮮人を摘発した。また、スリランカでも同様の事例が発生したと韓国の聯合ニュースが伝えた。

同ニュースによると、スリランカ関税庁の関係者は、16万8000ドル(約1829万円)の現金をカバンに入れて持ち運んでいた北朝鮮人2人をコロンボのバンダラナイケ国際空港で摘発。全額を没収した上で、うち1人に関税法違反で10万スリランカルピー(約7万5000円)の罰金を科したと述べたという。

摘発された2人は、オマーンの首都マスカットからコロンボ経由で中国の北京に向かっており、「現金はオマーンの建設現場で働いている北朝鮮労働者の月給だ」「自分が帰国するので、同僚のものも合わせて運んでいた」などと釈明した。

しかし、スリランカの関税庁は、今回の事案が1万ドル(約109万円)以上の外貨を持ち込み、持ち出す場合は申告が必要と定めた同国の関税法違反であり、カネの出処、運搬目的、最終的な行き先が明確でないとして押収を決定した。

これに対して2人は、コロンボ空港近辺のホテルに滞在し、スリランカの財務大臣に対して押収に異議を唱え、返還を要求している。スリランカを管轄するケ・チュニョン駐インド北朝鮮大使も同国を訪問、外交省と関税庁関係者と面談し、押収した外貨を返還するように要求している。

ちなみに、マスカットからコロンボへはオマーンエアとスリランカのLCCミヒンランカが週18便運航しているが、コロンボから北京へはスリランカ航空が週4便を運航しているに過ぎない。北朝鮮人2人は、スリランカの税関検査が厳しくないと判断し、この不自然なルートを選択した可能性がある。

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