様々な国家機関が経営する外貨ショップは、国から一方的に供給される高級商品を売るだけで、どこに言っても同じ品揃えだった。しかし、経営権が支配人に任されるようになってから状況が一変する。
支配人はヤミ金や自力で調達した資金で、中国に売れ筋の商品を買い付けに行くようになった。つまり、支配者の手腕次第で売上が左右されるようになったのだ。少しでも多く儲けるために、各外貨ショップは、旧正月や年末の前になると、様々な趣向を凝らして商戦を繰り広げるようになった。
支配人は、販売利益の大部分を国に収め、残りを収入として得る。売れば売るほど儲かるというわけだ。こうして資本を蓄積した支配人たちは、自らもヤミ金業を営んだり、不動産に投資するなど事業を多角化しながら、トンジュとなっていく。
しかし、この外貨ショップの仕入れシステムが抜本的に変更になるというのだ。