中国の通貨「人民元」は偽札が多いことで知られている。中国政府は、偽札対策を施した「新100元札」を昨年11月発行したが、既に偽札が発見されている。

一方、北朝鮮国内の市場にも多くの人民元は流通していることから、偽札問題が北朝鮮経済にも深刻な影響を与えていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。

原始的な偽札鑑別法

北朝鮮には国内向けのクレジットカードは存在せず、さらに銀行は信用されていないことから、国内外での商的取引はほとんど現金で行われている。その割合は、貿易会社で約8割、個人業者では100%に達するほどだ。

こうした独特の事情から「偽札」は非常に頭が痛い問題だ。中国のように「偽札鑑別機」を使えればいいが、電力不足が深刻な北朝鮮では難しい。また、持っていたとしても出先に持ち運ぶのは大変だ。

そこで、様々な「偽札鑑別法」が編み出されている。

最も原始的な方法は、「紙幣を指でこする」。原始的な勘頼りの方法だが、質の低い偽札ならこの方法でも充分見つけ出すことができるという。紙幣を太陽にかざして、透かしや金属線がきちんと入っているかを確認する方法も使われている。

大量の紙幣を取り扱う場合、1枚1枚こするのも大変だ。そこで、札束から数枚の札を抜き取って白い壁になすりつけるという方法が使われている。壁にインクがつけば偽札というわけだ。しかし、札に傷がついてしまい、偽札に付け入る隙を与えてしまっている。

中朝国境と接している羅先(ラソン)、会寧(フェリョン)、恵山(ヘサン)、新義州(シニジュ)などには、中国から人民元が大量に流入するため、きれいな紙幣が流通している。一方、中朝国境から離れた平安道(ピョンアンド)や黄海道(ファンヘド)の内陸地方では、偽札かどうか判別するのは困難なボロボロの人民元紙幣が流通している。

そこに目をつけた北朝鮮の犯罪組織が、中国の犯罪組織と手を組んで、偽札を大量に製造、流通させていると言われている。

人民元偽札問題は、かなり深刻だが、北朝鮮の人民保安部(警察)も国家安全保衛部(秘密警察)も偽札対策にはさじを投げているという。

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