こうした独特の事情から「偽札」は非常に頭が痛い問題だ。中国のように「偽札鑑別機」を使えればいいが、電力不足が深刻な北朝鮮では難しい。また、持っていたとしても出先に持ち運ぶのは大変だ。
そこで、様々な「偽札鑑別法」が編み出されている。
最も原始的な方法は、「紙幣を指でこする」。原始的な勘頼りの方法だが、質の低い偽札ならこの方法でも充分見つけ出すことができるという。紙幣を太陽にかざして、透かしや金属線がきちんと入っているかを確認する方法も使われている。
大量の紙幣を取り扱う場合、1枚1枚こするのも大変だ。そこで、札束から数枚の札を抜き取って白い壁になすりつけるという方法が使われている。壁にインクがつけば偽札というわけだ。しかし、札に傷がついてしまい、偽札に付け入る隙を与えてしまっている。