4月15日は太陽節(故金日成主席の生誕記念日)だ。北朝鮮の各地で記念行事が行われ、住民たちは金日成氏の銅像を訪れ、献花しなければならない。しかし、最近では、本来御法度である「造花」で献花することが多くなったという。

献花のための花は、かつては国から配給されていたが、90年代末の大飢饉「苦難の行軍」の頃に配給システムが崩壊したため、一般庶民たちは、市場や道端で購入せざるをえなくなった。

しかし、北朝鮮の4月はまだ寒く、生花と言ってもツツジぐらいしかない。それ以外の花は、温室で栽培する、もしくは中国から輸入するしかないのだが、総人口2500万人全員に花を配給するだけの経済的余裕が北朝鮮にあるわけがない。

こうした事情から、個人業者がビニールハウスを建てて花を栽培し、4月15日に合わせて販売する生花ビジネスが生まれた。

一方、ビニールハウスで栽培する余裕がない住民は、市場で材料を購入し、家族総出で造花を作って販売する。

北朝鮮当局は、「偉大な指導者に造花で献花すべきでない」という理由から、造花の販売を禁じており、下手をすると政治犯扱いされ収容所送りになりかねない。

そこで、花の売り買いは学校の前や道端で「密売」するのだ。

太陽節と光明星節(金正日氏の誕生日)の2日間で得られる利益は相当なもので、それだけで1年を暮らせるほどの儲けになるという。

ちなみに、銅像に大量に捧げられた花はどうなるのだろうか。昨年、平壌の金日成氏の銅像を訪れた外国人観光客によると、担当職員が無造作に片付けていたそうだ。

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