朝鮮半島の春は昔から「飢え」の季節だ。「春窮」または「ポリコゲ」と呼ばれるが、越冬用に蓄えておいた食糧が底をつき、麦の収穫が始まるまで飢えに苦しむ。韓国ではもはや昔話だが、慢性的な食糧不足に苦しむ北朝鮮では、現時進行形の話しだ。

とくに、今年は春窮に加えて、国連安保理での制裁決議採択の影響で、これまで飢えとはさほど関係なかった人まで食糧難が広がりつつあると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝える。

元「秘密警察官」でさえも食糧難

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の茂山(ムサン)出身で、現在は韓国に住む50代の脱北者、金さんによると、最近になって北朝鮮から電話がかかってくるようになった。電話の相手は保衛部(秘密警察)を定年退職し、年金暮らしをしている元秘密警察官だ。