防衛省のシンクタンク「防衛研究所」は25日、世界の安全保障環境に関する報告書「東アジア戦略概観」の2016年版を公表。北朝鮮の核兵器について「すでに小型化・弾頭化の実現に至っている可能性が指摘されている」として、国際的に警戒感が高まっている現状を紹介した。

また、北朝鮮が昨年5月に行った潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射試験にも言及し、将来的に核弾頭搭載可能なSLBMの配備に至れば、「北朝鮮の核戦力の残存性が一層高まる危険性を指摘する見方もある」と述べている。

該当箇所の全文は次のとおり。

北朝鮮のミサイルへの核弾頭搭載能力については依然として不明な部分も多いものの、核兵器についてはすでに小型化・弾頭化の実現に至っている可能性が指摘されている。これを踏まえ、北朝鮮が潜水艦技術と水中発射能力を向上させ、将来的に核弾頭搭載可能な SLBM システムの配備に至れば、既存の地上移動式発射型ミサイルの能力向上と併せて、北朝鮮の核戦力の残存性が一層高まる危険性を指摘する見方もある。例えば、米アジア太平洋安全保障研究センターのヴァン・ジャクソン博士は、北朝鮮の核兵器保有数が 20 発を越えないという「最小シナリオ」においても、核ミサイル運搬手段によっては、北朝鮮の核戦力の残存性は十分に保証されると分析している。

2015 年 10 月 10 日に開催された朝鮮労働党創建 70 周年記念閲兵式(軍事パレード)では、新型の 300mm 多連装ロケット砲が初公開されたほか、2012 年および 2013 年の閲兵式にも登場した新型の大陸間弾道ミサイルとみられる KN-08 が、これまでのものから弾頭部分の形状を変更して登場した。また、既存の短・中距離弾道ミサイルであるスカッド、グアムを射程に収めるムスダンや日本を射程に収めるノドンも披露された。しかし、北朝鮮が 5 月に発射試験に「成功」と公表した SLBM は登場しなかった。また、北朝鮮は 11 月 28 日に日本海で SLBM の発射実験を行ったものの、失敗したもようだと報じられた。

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