おととい、本欄で北朝鮮と韓国の「舌戦」が過熱している、と書いたばかりだが、きのう再び激しい応酬が交わされた。北朝鮮の対韓国窓口機関・祖国平和統一委員会が発表した「重大報道」の中で、韓国の大統領を名指しして「朴槿恵逆賊どもをこの地、この空から断固と除去する」と宣言。韓国政府がこれに対し、「北が挑発を強行する場合、わが軍は容赦なく懲らしめる。全ての責任は北にある」と警告したのだ。
おとといも指摘した通り、北朝鮮は朴槿恵大統領を低俗な表現で繰り返し罵倒してきた。国家元首といえども人間である。仮に、国際政治上の何らかの展開があり、金正恩第1書記と朴槿恵氏が南北首脳会談を行う可能性が生じても、口汚く罵られた経緯があればうまく行くはずがない。
また、北朝鮮は米国のオバマ大統領に対しても、常識的には思い浮かばないような表現まで用いて罵倒してきた。引用するのも憚られるような酷い内容だが、北朝鮮の行いを告発する意味でほんの一部だけ言及すると、「オバマのみすぼらしい姿を見るとおう吐ではらわたが煮えくり返る」といったような具合だ。
(参考記事:北朝鮮が差別表現でオバマ氏を罵倒する理由)人権問題をめぐるヤケクソ
この一事だけを見ても、「米朝の対話なんかとうていムリだろうな」などと思わざるを得ない。