ロシア国営のエネルギー企業「ガスプロム」が、北朝鮮との協力事業を中止したとロシア国営通信スプートニク(韓国語版)が報じた。

ガスプロムは、ユーロ債の新規発行に関する了解覚書で、今後は北朝鮮とイランの企業との協力を行わないと明らかにした。理由は「イランと北朝鮮に対して今後制裁が課せられない保証はない、そうなると我が社が打撃を受ける」からだという。

ガスプロムは、北朝鮮における天然ガス事業に関心を示し、探査、採掘事業を進めてきた

しかし、2月に議会を可決された米国の対北制裁は、北朝鮮と取引している企業に対して国際市場における商品とサービス購入、国際資本市場への接近を禁じている。そのため、北朝鮮との事業を続けると国際資本市場での債券発行が困難になるなど、自社に被害が及びかねないと判断し、事業の中止を決断したものと思われる。

今回の中止決定は、国際制裁と米国の独自制裁が、ロシアに対しても効力を発揮している証拠とも言える。その一方で、ロシアは北朝鮮との協力関係を完全に中断したわけではなく、一部では従来通り続けられている。

ロシアが借りた北朝鮮の羅津港を経由して、ロシアから韓国へ船舶で貨物を輸送する「羅津・ハサンプロジェクト」に対して、韓国政府は参加を取りやめる決定を下したが、ロシアはプロジェクトを継続する意思を示した。

ロシアのビタリー・ツルキン国連大使は「安保理で採択された対北制裁案は、ロシアの利害関係を保護できるように米国と協議したうえで採択された」「ロシアと中国の経済的利害関係は、北朝鮮の核兵器開発とは全く関係ない」とし、羅津ハサンプロジェクトには影響しないと述べた。

また、ロシア科学アカデミー極東研究所のリュドミラ・ザハロワ博士はスプートニクとのインタビューで、2015年に羅津港を通じて輸送した150万トンの貨物のうち、70%以上が中国向けで、今後も中国への輸送は続けられるとし、韓国の撤退後もプロジェクトは深刻に憂慮する状況には至っていないと述べた。

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