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他に、制裁案には北朝鮮への航空燃料とロケット燃料の輸出を禁じる内容も含まれている。

民生用としても使われる原油の輸出を禁止すると、北朝鮮経済の崩壊を招き、情勢の更なる不安定化をもたらしかねないと懸念する見方があったが、純粋に軍事用として使われる航空燃料とロケット燃料に対象を絞ることで、軍事に影響を与える一方で、一般国民の生活に与える影響を軽減させる目的があるものと思われる。

さらに、制裁案は核兵器やミサイル開発に関係する北朝鮮の個人17人と12団体も制裁対象としている。リストは公開されていないが、偵察総局、原子力工業省、国家宇宙開発局などが含まれると見られる。

ただし、年間最大で5万人に達し、莫大な額の外貨収入源となっている北朝鮮の海外労働者派遣は、制裁対象にならなかった。劣悪な環境での労働に対しては、「人権侵害」だとの指摘が絶えないが、違法性の立証が難しかったからだ。

北朝鮮は海外に派遣する労働者の応募条件を緩和するなど、海外派遣労働者の数を増やしており、制裁強化へのリスクヘッジとして利用する動きを見せている。これに対しては、安保理ではなく、人権委員会などの圧力が必要となる。