北朝鮮外務省の朴明国(パク・ミョングク)次官一行がロシアを公式訪問し、北朝鮮とロシアが不法滞在者の送還に関する協定を締結する見通しだ。

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、これはロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官が29日の記者会見で明らかにしたものだ。また、在ロシア北朝鮮大使館も、Facebookで朴次官がロシア訪問時に不法滞在者の収容と送還に関する協定を結ぶと明らかにした。

この協定が発効すると、北朝鮮からロシアに派遣後に脱走した労働者を強制送還する根拠となるため、新たな人権侵害を生むことが懸念されている。

一方、ロシアの連邦移民局は、36歳の脱北者男性が提出していた亡命申請を29日却下する決定を下した。ロシアメディアは、この男性の最終目的地はロシアではなく第三国で、難民とは見なされず、北朝鮮に送還されても処罰される危険はないという移民局関係者の話を伝えた。

処刑の恐れも

しかし、ロシアの人権団体は、この決定を激しく非難している。

韓国の聯合ニュースによると、人権団体は、この協定が締結されると、北朝鮮国民を審査なしに強制送還する根拠となり、送還された人は労働教化刑や、死刑に処されると懸念を示している。

また、ロシア政府はジュネーブ難民協定に基づき、本人の同意なしには強制送還しないとしているが、それが守られるかは未知数だと指摘している。

この男性は、17歳だった1997年に脱北し、中国で10年間息を潜めて暮らしていたが、カザフスタンとの国境付近で中国の国境警備隊に逮捕され、北朝鮮に強制送還された。労働教化所に収監されたが、再脱北し、2013年にアムール地方からロシアに入国している。

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