沖縄、台湾、広東省の広州など、普段雪の降らない地域でも降雪を記録するなど大寒波に襲われている東アジア。韓国は大寒波に襲われ、ソウルでは16年ぶりに氷点下18度を記録した。普段雪の降らない済州島でも大雪となり、済州空港は50時間に渡り閉鎖、9万人が足止めされた。

一方、北朝鮮では、中朝国境の恵山(ヘサン)で氷点下31度、白頭山では氷点下37度を記録するなど、例年に比べてより一層厳しい冬となり、各地で水道管や井戸が凍り「水確保戦闘」が繰り広げられている。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、普段は比較的暖かい東海岸各地にも大寒波が押し寄せた。氷点下27度を記録した清津(チョンジン)市民の苦痛は最高潮に達しているという。(ただし、朝鮮中央テレビ、韓国気象庁によると清津の1月の最低気温は氷点下15度程度で、氷点下27度まで下がった記録はない。)

市内の6つの区域のうち4つでは、地面から1メートルのところに埋設されている水道管がいたるところで凍結、破裂し、水が出ない状態となっている。補修工事をしようにも地面が凍っているため、シャベルやくわでは歯が立たず、3月末まで放置せざるを得ない状況だ。

町内にある井戸もことごとく凍っている。氷に柄杓が入るほどの穴を開けて水を汲んでいるが、時間がかかる上に、地域の住民が殺到しているため、2時間以上待ってようやく水を汲めても、バケツ1杯が限界だ。

「寒空の下でそんなに長時間待ってられない」という人は、8キロ離れたところを流れる輸城川(スソンチョン)まで氷の塊を拾いに行く。溶かして飲水にするが「こんなに寒いのにばい菌などいるわけない」と沸かさずに飲む人が多いという。

電気の供給もまともになされていないため、鉄道も止まってしまっている。平壌発の清津、恵山(ヘサン)、羅津(ラジン)方面の列車は、到着まで15日ほどかかる有様だ。走行中に停電となり、何もない野原や山の中で列車が停まってしまったため、乗客たちは寒さと空腹と闘っているという。

また「ポリポス」「ソビ車」と呼ばれる民営のバスやトラックは、パイプラインの凍結でガソリンがなく、多くが動けない状態だ。さらに積雪や道路の凍結で交通事故も多発している。輸送が止まってしまったため、市場の物価は高騰している。

寒波による被害が続出しているが、当局は何ら対策を取らず、朝から晩まで「労働党第7回大会」関連のプロパガンダばかり行っており、住民たちは呆れ返っている。多くの人が地域の労働党に「水道と電気のどちらか一つだけでもいいからなんとかしてくれ」と訴えに行っている。その気力すらない人は、家で頭からすっぽりと毛布をかぶって寒波が去るのを待っているという。

韓国気象庁によると、寒さは幾分和らぎ、27日の清津の最高気温は氷点下1度まで上がると予想している。

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