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町内にある井戸もことごとく凍っている。氷に柄杓が入るほどの穴を開けて水を汲んでいるが、時間がかかる上に、地域の住民が殺到しているため、2時間以上待ってようやく水を汲めても、バケツ1杯が限界だ。

「寒空の下でそんなに長時間待ってられない」という人は、8キロ離れたところを流れる輸城川(スソンチョン)まで氷の塊を拾いに行く。溶かして飲水にするが「こんなに寒いのにばい菌などいるわけない」と沸かさずに飲む人が多いという。

電気の供給もまともになされていないため、鉄道も止まってしまっている。平壌発の清津、恵山(ヘサン)、羅津(ラジン)方面の列車は、到着まで15日ほどかかる有様だ。走行中に停電となり、何もない野原や山の中で列車が停まってしまったため、乗客たちは寒さと空腹と闘っているという。

また「ポリポス」「ソビ車」と呼ばれる民営のバスやトラックは、パイプラインの凍結でガソリンがなく、多くが動けない状態だ。さらに積雪や道路の凍結で交通事故も多発している。輸送が止まってしまったため、市場の物価は高騰している。