ロシア国立の最高学術機関、科学アカデミーのアジア・朝鮮半島の専門家たちが、北朝鮮の核実験に対する制裁を強化する日米韓の動きに相次いで懸念を表明。これを、プーチン政権の強い統制下にあるロシア国営通信スプートニクが報じている。ロシア政府の立場を代弁しているものと見られる。
同通信の韓国版ウェブサイトは15日、「イランの(核問題妥結の)ケースに基づき、北朝鮮の核問題を解決するための具体的な計画が必要だ」とする、ロシア科学アカデミー極東研究所のアレクサンドロ・ゼービン朝鮮研究センター長のインタビューを掲載した。
ゼービン氏は同時に、「合意と相互譲歩が外交のABCだ。しかしこれまで、北朝鮮のための合意や譲歩などはなかった」と指摘。いま必要なのは、「国際社会が北朝鮮に具体的なプログラムを提供することだ」と述べている。
同通信はまた、14日付でロシア科学アカデミー経済学研究所アジア内ロシア戦略研究所長のゲオルギー・トローラヤ氏の発言を伝えている。同氏は「北朝鮮は特別な政治的前提条件がなければ、自国が保有する核潜在力を放棄するいかなる理由もないと思う。北朝鮮を孤立させるほど、いっそう核兵器を開発するだろう」と分析。
さらに「(米国にとっては)ロシアと中国の国境に接した極東地域に緊張の火種をおくことが有利だ。米国は北朝鮮の核問題解決に関心がない。もし米国がこの問題に関心があるなら北朝鮮と対話すべきだ。対話をするなら北朝鮮の核問題を解決していく可能性があり、情勢変化の可能性があると思う」と述べている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面同通信は日本版のウェブサイトでも、ロシアは北朝鮮経済を窒息させるような制裁には反対するという、ロシア科学アカデミー東洋学研究所朝鮮研究室長、アレクサンドル・ヴォロンツォフ氏のインタビューを報じている。