北朝鮮が今月6日に実施した核実験に対抗して、韓国は8日より対北朝鮮拡声器放送を再開した。昼は10キロ、夜は24キロ先まで聞こえると伝えられるが、実際にどれくらいの範囲に聞こえているかは、現在のところ不明だ。

韓国の京郷新聞によると、拡声器放送は韓国企業が多数進出している開城工業団地に向けては行わないと韓国軍関係者が明らかにした。このため、人口30万の北朝鮮・開城(ケソン)市内まで届いているかは定かではない。

開城の西隣の白川(ペチョン)郡、延安(ヨナン)郡は、合わせて人口30万。こちらに対する放送も、移動式拡声器を使い不定期で行うと軍関係者は述べている。

これは開城工業団地で働く韓国人従業員や、軍事境界線付近に住む韓国住民の安全を考慮した措置とのことだ。軍事境界線に面した韓国の坡州(パジュ)市は、2009年の地下鉄の開通で建築ラッシュが起き、人口が42万人にまで急増している。中には、北朝鮮から川を挟んでわずか2キロしか離れていないニュータウンすらある。

北朝鮮軍が拡声器を狙って砲撃を行った場合、ニュータウンや居住する民間人に被害が及びかねないことを考慮したものと思われる。

それと関係しているかは定かではないが、拡声器放送の再開の話は、他の北朝鮮の地域にまで伝わっていないようだ。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋が米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に語ったところによると、軍事境界線から遠く離れた現地では韓国による拡声器放送の再開のことも、それに伴う軍の動きや情勢の緊張についても知られていないという。

国境地域の警備や中国との違法通話の取り締まりは強化されているものの、新年の恒例行事のようなものなので、核実験と結びつけるには無理があると伝えた。

両江道(リャンガンド)の別の情報筋は、韓国の対北朝鮮拡声器放送再開を中央は隠蔽しようとしていると伝えた。北朝鮮当局は今回の核実験を大々的に祝う形のプロパガンダを行い、核実験が経済発展に繋がるという形で伝えているが、情勢が緊迫感を増すと、せっかくの雰囲気に水を差しかねないという判断が働いているようだと、情報筋は分析した。

現地の住民に拡声器放送再開の事実が知れ渡ると、韓国への怒りより恐怖が広がるだろうと情報筋が見ている。

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