「母とその子は収容所内の懲罰棟に連行され、赤子は犬のエサの器に投げ込まれた」
証言の主は、政治犯収容所で看守として働いた経歴のある脱北者、アン・ミョンチョル氏だ。国連報告書の政治犯収容所に関する部分には、アン氏の証言が数多く収められている。
(参考文献:国連報告書「政治犯収容所などでの拷問・強姦・公開処刑」)
こうした人権侵害が続く限り、国際社会は決して追及の手を緩めず、北朝鮮はいつまでたっても国連の制裁から逃れられず、経済復興も改革・解放も進まないだろう。追及から逃れるためには、北朝鮮自らが人権侵害の実態を明らかにし、金正恩自身が断罪されなければならないが、それは体制崩壊にもつながりかねない。
そうした意味からすると、もしかすると今回の水爆実験は、既存の世界秩序に対する金正恩氏の決別宣言であり、対決宣言ではなかろうか。