労働党は、北朝鮮の行政、司法、軍の幹部人事権を握り、日常的に重要部門を監視する機関だ。しかし、金正恩体制になって頻繁に粛清・処刑されていることから、出世を望まないというのだ。なぜなら、出世することは金正恩氏に近づくこと、すなわち粛清、処刑のリスクに近づくことを意味するからだ。
韓国の統一省が、最近発表した北朝鮮の主要機関団体登録簿によると、金正恩体制になってからの4年間で、北朝鮮の党・政・軍の高位級幹部の70%以上が交代させられている。
例えば、労働党の財政を握る韓光相(ハン・ガンサン)労働党財政経理部長でさえ、数ヵ月間、姿を消し、また登場している。ウォン・ドンヨン統一戦線部第1副部長も同様であり、中央党の高位級幹部の浮き沈みが激しいことが見えてくる。
「内閣や、省庁の中央機関の実務職にいれば、自分の地位を現状維持できる。しかし、中央党は規律が厳しく、少しでもミスをすれば粛清される危険性がある」 (情報筋)