北朝鮮の鉄道は、北部は水豊水力発電所、南部は北倉火力発電所の電気で運行されている。どのようなシステムになっているのか定かではないが、電力供給の分かれ目になる新浦駅は、昔から列車が長時間停車することで有名だった。
降水量の減る冬場には、水力発電所がまともに稼働せず、ただでさえ劣悪な電力事情がさらに悪化する。停車時間が伸び、新浦駅には複数の列車が数時間から数日停車するようになった。乗客たちは暖房設備のない列車から降りて、駅舎で暖を取りつつ食事をする。
かつての漁師たちは、こうした乗客にイモやお湯を売って糊口をしのいでいる。
それでも、漁に出るよりは儲けになるようだ。情報筋は「この状況は、新浦だけじゃないようだ」と、全国の漁師が同様に困窮していると見ている。