しかし、ワイロ集めのために、警察官が現場に出向いて商人たちを締め上げてしまうと、今度は彼らとの関係に響いてくる。そこで、無慈悲な取り締まりを行う労働者糾察隊に外注、すなわち「アウトソーシング」しているわけだ。
(参考記事:北朝鮮、治安機関で退職者が続出するワケ)警察にとって「ワイロ集めのアウトソーシング」のメリットは他にもある。
普段、警察官は制服を着ているため正体がすぐバレてしまい、商人達は、没収されそうな商品を隠してしまう。しかし、労働者糾察隊は私服で巡回するので、商人に気づかれることなく、絞り上げることができるのだ。
北朝鮮当局にとっては、効率のいいワイロ集めだろうが、もちろんこれは収奪以外の何物ではない。こんな悪習が、市場経済にいい影響を与えるわけもなく、庶民生活に悪影響を及ぼすだろう。