ジャガイモが取れすぎて処理に困ったり、個人耕作地での豊作でコメの値段が下がったりするなど農業生産が好調な北朝鮮。一方、当局が農民に約束した収穫の分配がまともに行われていない実態を米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が明らかにした。

北朝鮮の農場(本文とは関係ありません) ©Aleckyeung
北朝鮮の農場(画像:Aleckyeung)

2004年ごろから導入が始まり、全国に適用範囲が拡大されている「圃田担当制」。家族単位に耕作の責任を持たせ、求められた量以上の収穫量を達成できれば、農産物の分配を増やすというものだ。つまり、「インセンティブ」で農業へのモチベーションを高めようというものだ。

両江道の情報筋によると、今年の「国家食料生産計画量」は、ジャガイモ畑1ヘクタールあたり23トンだったが、実際は35トンの収穫があった。本来ならかなりの量のジャガイモが分配されるはずだが、その約束は守られておらず、特に説明もないという。

お隣の咸鏡北道(ハムギョンブクト)でも、同様の状況が起きている。現地の情報筋によると、余剰農産物を分配するという約束も、全収穫量の3割を分配するという約束も守られていない。

会寧(フェリョン)市の農場では、大人1人あたり1日600グラム、子どもは400グラムの計算で1年分のジャガイモが配給されただけだという。これは、北朝鮮の一般的な配給の量で、政府が約束した量とはかけ離れているという。

しかし、農民たちは「当局の約束などハナから信じてしなかったから、特に失望もしていない」との反応を示しているという。

約束された配給が行われない状況は、以前から存在しているが今回の理由について、いずれの情報筋も述べていない。

常習的に行われてきた、農場や地方幹部による中央への生産量の水増し報告、または横流しや窃盗などが分配が行われないことが原因として考えられる。

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