「当局は、労働党や軍(朝鮮人民軍)を通じて『元帥様を最高の待遇でお迎えしなければならない』と強調しながら、『何か不手際があれば命で償ってもらう』と脅迫まがいのことをしている」
高級幹部が、次々と粛清されるのを見た中下級幹部たちは、その言葉に震え上がり、金正恩氏が現地指導にやって来たら最高の待遇で出迎える。住民を総動員して、道路を雑巾がけさせるほどの徹底ぶりだ。
当局は、さらに「元帥様を最高の待遇で迎えてこそ、真の社会主義の偉大な公民だ」という教育を行っているが、現場での住民の反応は冷淡だ。
処罰が怖いので表向きは「元帥様に永遠の忠誠を誓う」と言っているが、「なんであんなガキに、かしずかなければならないんだ」「住民を締め付けたところで、真の忠誠心なんて得られるわけがない」などと、ホンネをこぼしながら雑巾がけをするという。