北朝鮮で、水力発電所の完成が相次いでいる。10月には白頭山英雄青年発電所、11月には煕川9号発電所が完成したと北朝鮮の国営メディアは大々的に宣伝している。

煕川1号発電所(画像:我が民族同士)
煕川1号発電所(画像:我が民族同士)

一方、金日成氏誕生100周年だった2012年に「強盛大国の扉を開く」として鳴り物入りで完成させた煕川(ヒチョン)1号発電所が稼働していないことが、現地の住民の証言で明らかになった。これは米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じたものだ。

フル稼働できず

北朝鮮国内の情報筋によれば、10月10日の朝鮮労働党創建70周年記念日から、煕川1号発電所の電気が平壌に送られると幹部たちは豪語していた。

だが、現在平壌市内では中心部を除き1日3時間しか電気が供給されていないことから、幹部たちの言葉は嘘だったと情報筋は批判している。

この発電所は、慈江道(チャガンド)の龍林(リョンリム)郡を流れる将子江(チャンジャガン)に龍林ダムを建設し、せき止めた水を地下水路を通して、東新(トンシン)郡の清川江(チョンチョンガン)のほとりにある煕川1号発電所まで落として発電するというものだ。

清川江の流域にはそれ以外にも、2号から12号の発電所(別名清川江階段式発電所)があり、合計で42万キロワットの発電容量を確保できたはずだった。

またもや「速度戦」の弊害

ところが、実際にはフル稼働ができない状態と思われる。 数万人の軍人を動員して完成させた煕川1号発電所が稼働していない理由は不明だが、無理やり工期を短縮させるための「速度戦」による手抜き工事で「まともに使えない代物」になっている可能性がある。

北朝鮮当局は、深刻な電力難を解消するために水力発電所の建設を進めているが、気候に合っておらず、国を疲弊させるだけで何の成果も上げられない。ソーラーパネルなどの再生可能エネルギーに絞るのが得策だろう。

地味でプロパガンダに使うには役不足かもしれないが、役に立たない無駄な工事をするより、着実にインフラを改善したほうが、人々の支持を得る近道と言えよう。

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