かつて、日本の学校の片隅には、御真影(天皇と皇后の写真)が祀られた「奉安殿」という小さな祠が立っていた。それを火災や空襲から守るため、命を投げ出した人々は「英雄」とされた。
一方、現代の北朝鮮の公共施設や各家庭には、金日成氏と金正日氏の肖像画が祀られている。災害から命を投げ打って守りぬいた人には「英雄称号」が与えられるところも、戦前の日本と同じだ。
肖像画を守るために命を落とす
今年の8月、北朝鮮東海岸の羅先(ラソン)を襲った水害の際に、肖像画を守ろうとして亡くなった住民が続出。地域の人々にショックを与えている。咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋は語る。