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一方、薬学部出身者は国営病院の医薬品管理所に配属される。ここでは、「国連薬」と呼ばれる国際機関から援助された医薬品を取り扱っているため、これを市場に横流しするだけでも大儲けができる。

「薬学部を卒業して病院に勤めても、退職して市場で医薬品を製造、販売する人も増えている。国が管理する病院には薬が不足しているので、多くの住民は市場で購入するのが当たり前だ」(平安南道の内部情報筋)

つまり、病院よりも薬剤ビジネスが成立する市場で、薬学部出身者は稼ぐのだ。

社会主義国家では、資本主義国に比べると、医師の社会的地位は低かった。北朝鮮では、平壌医大や各地方の医大を出て医者になれば、安定した生活を送れると言われてきたが、90年代後半の大飢饉「苦難の行軍」以降は、配給システムや無償医療システムが崩壊。病院勤めでは、生活がままならなくなった。