日本で携帯電話を表す番号は「090」と「080」だが、北朝鮮では「191」と「195」が使われている。ところが最近、奇妙な指示が下され番号が変更されたと平壌在住のデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。

北朝鮮には3つの携帯会社がある。エジプトのオラスコム社との合弁会社の「コリョリンク」、逓信省が経営している「強盛(カンソン)ネット網」、そして携帯電話事業への参入を計画している政府系の「ピョル」だ。

平壌周辺地域や黄海道(ファンヘド)、江原道(カンウォンド)などで主に使われているのがコリョリンク、咸鏡道(ハムギョンド)や両江道(リャンガンド)など北部や内陸山間地方で主に使われているのが「強盛ネット網」で、それぞれ「191」と「195」の識別番号が割り当てられている。

識別番号「1912」の意味とは?

北朝鮮の電話番号は7桁だが、当局はコリョリンクに対して「識別番号を191から1912に変更せよ」との指示を出した。

1912とは、故金日成主席が生まれた1912年を表す「おめでたい数字」であり、北朝鮮が使用する「主体歴」の元年でもある。数字自体は当たり前で馴染みがあるせいか、情報筋もとくに不満はないようだ。新規加入者に対しては北朝鮮人、外国人問わず1912の番号が割り当てられるようになっている。

ちなみに、195の強盛ネット網に対してはこうした指示は下されていないが、単純に1950年代生まれの金一族のメンバーがいないからだと見られる。

情報筋によると、コリョリンクも強盛ネット網もサービスには差がないが、料金の支払方法が異なる。双方とも料金は先払い方式で、基本料金に200分の無料通話時間が含まれている。

妨害電波で通話品質が低下

200分を越えて通話する場合、コリョリンクは外貨でカードを購入して料金をチャージしなければならない。ビジネスで通話料の多い人は月に12万から25万北朝鮮ウォン分のカードを買っているという。さらに、1年に4回3000北朝鮮ウォンの追加料金を支払う必要がある。

強盛ネット網は営業所で追加の通話料金をチャージする形態だが、北朝鮮ウォンでも支払いが可能で人気だが、弱点もある。

北朝鮮の治安当局が中国キャリアの携帯電話に対する妨害電波のせいで、中朝国境地帯では雑音が多いのだ。妨害電波をめぐっては中国側の住民から抗議の声が上がるほどだが、北朝鮮側でも電波障害が起きていることが、今回初めて確認された。

    関連記事