韓国政府は「軍の撤退」を含むいくつかの要求を飲んだことによって、ほぼ全員が42日後に解放されたが、その前に人質2人が殺害されてしまった。
当初、韓国の世論は彼らに同情的だったが、彼らがモスクで「タンバルキ」を行ったり、コーランを冒涜するなど、他宗教、文化を尊重するどころか「悪魔扱い」したことが明かされるや、激しい非難がとって代わった。ネットには「どうして生きて帰ってきたの?」などと彼らを非難する文章が溢れた。
「タンバルキ」とは、「土踏み」を意味する韓国のシャーマニズムに由来する儀式で、その地を踏みしめながら「異教徒の館は崩れろ!」「悪魔は出て行け!」などと叫ぶもので、韓国のキリスト教でもこの儀式を行う教団は「異端」「カルト」扱いされる。
こうした現象は、性的少数者の権利回復が進み、多くの移住者が入国し、多様化しつつある韓国社会の現状に対するバックラッシュとも言えよう。
「反省」は少数派
近年、海外から韓国に移り住む人の多くは中国朝鮮族だが、他の国から移住したイスラム教徒もいる。彼らが韓国国籍を取得し、子どもを産むことによって、韓国人のイスラム教徒も徐々に増えつつある。多様化する社会は、韓国をキリスト教という「唯一無二の価値」で染め上げようとしている保守プロテスタントからすれば「障害」以外の何物でもないのだろう。
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