金正恩第1書記の指示によって「朝鮮中央動物園」の動物が大量死したと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

朝鮮中央動物園(平壌動物園)は、昨年末から改修工事が進められていたが、金正恩氏は「10月10日の朝鮮労働党創建70周年まで工事を終わらせろ」と指示。現場では速度戦で突貫工事が進められたが、これが動物の大量死という災いを呼ぶ。工事納期を早めるため安全規則が無視されたまま工事が続けられたからだ。

平壌在住のRFAの情報筋は「9月初めごろに施設を移転する過程で停電が発生、冷房が4時間も止まってしまった。そのせいでペンギン10数羽やホッキョクギツネを含む動物数十頭が死んでしまった」と語った。

パンダを確保せよ!

さらにアザラシも死んでしまったが、これだけではない。自慢のイルカショーでパフォーマンスを披露するはずのイルカ10数頭もショーの訓練があまりにも厳しくて死んでしまったという。

事態を聞きつけた金正恩氏は「動物安全規則」を守らなかったとして動物園の幹部を厳しく叱責したが、なぜか処罰は行わなかった。その代わり彼の世間知らずを露呈する指示を下す。

その指示とは「ホッキョクグマやジャイアントパンダなどの珍しい動物を確保せよ」

中国西南部にのみ生息するパンダは、中国政府が相手国との友好親善を深めるために贈呈、またはレンタルする形を取ってきた。いわゆる「パンダ外交」だ。

中朝関係は、改善の兆しを見せているが、依然として微妙な状態が続いており、中国が北朝鮮にパンダを贈ることは考えにくい。また、レンタルとなると1年間で1頭あたり100万ドル(約1億2000万円)という多額のレンタル料を支払わなければならない。中朝関係が良好な時代なら「無償貸与」もありえたかもしれないが、今すぐは無理だ。

ちなみに動物園、水族館の国際組織、世界動物園水族館協会(WAZA)は、加盟の動物園において、自然で捕獲された動物を展示することを禁じている。朝鮮中央動物園はWAZAに加盟していないものの、金正恩氏の指示を貫徹するために、野生動物の捕獲に乗り出したとしたら、国際的な批判は免れないだろう。

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