朝鮮労働党創建70周年を迎え、北朝鮮が鳴り物入りで完成させた「白頭山英雄青年発電所」。当初から様々な問題が指摘されてきたが、「まともに使えない代物」だという証言が再び出てきた。

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋は、現場の労働者から「大々的な手抜き工事が行われていた」という証言を聞いたという。

「完成を数年も無理やり倒しして無理な工事が行われたという話を直接聞いた。発電所の建設を10月10日の党創建記念日までに終えよという金正恩氏の指示に基づき、中央からの矢のような催促が続いたため、仕方なしに適当に工事にして適当に完成させた」

国家プロジェクトでも予算不足

現場労働者は工期の問題点を指摘したが、これだけでなく資材にも大きな問題があった。

白頭山発電所の建設工事は国家的なプロジェクトにもかかわらず、政府はまともな予算を投資しなかった。当然、資材は不足するが、建設にあたった金日成社会主義青年同盟の中央本部の職員が全国を渡り歩き資材をかき集めて、ようやく完成にこぎつけたという。

ところが、せっかく集めた資材もくず鉄が多く、資材としは不適切だった。工事に使われたセメントも、水力発電所用の高強度セメントではなく、一般建築物用のものが大量に使われているという。

さらに、セメントの混ぜ方や養生にも問題があった。

堤防が破壊するおそれ

砂、砂利の混合が適切に行われず、セメントが固まる前にどんどん積み上げて堤防を作ったため、「す」が入ってしまった。ダムに水を貯めると、堤防の内部の「す」に水が染みこみ、水圧で堤防そのものが崩壊するおそれが非常に高い。

決められた日までに無理やり完成させるために、工事の手順を無視して「使えない巨大なコンクリートの塊」を作り上げた事例は、枚挙にいとまがない。

建設に10年はかかるはずの煕川(ヒチョン)水力発電所も、故金正日氏の指示で3年で工事を終えたが、手抜き工事で今に至るまでまともに発電できていない。情報筋は「白頭山発電所も煕川と同じ道をたどるだろう」と締めくくった。

実際、発電所の建設技術者や一般労働者のみならず、労働党の幹部まで、発電能力のことではなく、そもそも堤防が水圧に耐えられるか不安という話をしているという。幹部の中には「今後、発電所を任される幹部のクビがどれほど飛ぶかわからない」と話す人もいるという。

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