急病の際の応急薬として、ワイロとしてダイエット薬として、北朝鮮で乱用されてきた「オルム」(覚せい剤)などの違法薬物。北朝鮮当局はその根絶に向け、取り締まりを強化している。

故金日成氏が描かれた紙幣でパイプをつくって覚せい剤を吸引する様子
故金日成氏が描かれた紙幣でパイプをつくって覚せい剤を吸引する様子/撮影:デイリーNK

北朝鮮の金正恩氏が最近、高等中学校(高校)の生徒と教員の薬物使用を厳しく取り締まるよう指示を下したと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。学校内で薬物が蔓延している事態を受けてのものだ。

学校の「休み時間」に

平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋によると、「生徒の学校生活を徹底的に統制し、青少年により引き起こされる社会的問題を適時に予防することについて」という指示が10月17日、金正恩氏から下され、各道の労働党委員会教育部を通じてすべての学校に伝えられた。

この指示は、大学や高等中学校では、休み時間に学生たちがタバコの喫煙はもちろん、薬物を使用する光景が見かけられるようになるほど、学校に薬物が蔓延していたことによる。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、大学や高等中学校が薬物汚染の根源となっており、大学生の間では覚せい剤の製造ノウハウが1000中国元でやり取りされている状況だ。

多くは幹部子弟

10月初めに咸鏡北道の国家安全保衛部(秘密警察)が登校中の大学生や高校生の荷物検査を行ったところ、薬物を所持している学生が大勢見つかり、20人以上が逮捕された。

摘発された学生の多くは、道の労働党や司法機関幹部の子であることがわかり、衝撃が広がっている。

正恩氏の指示が功を奏したのか、そのようなケースは徐々に減っているものの、情報筋は「一時的な統制と監視で、根深い薬物汚染を根絶することは難しいだろう」と述べた。

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