人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

トンジュにとって、国営工場の生産設備を使えることには大きなメリットがある。電力供給が安定してるからだ。

トンジュの狙いは「電力」

靴を生産する際、甲革の縫製などは個人宅のミシンでも可能だが、靴底を製造するためには電力設備が必要だ。機械で粉砕した生ゴムとガソリンに混ぜた後、成形加工するためにはコンプレッサーが必須となる。

「家内手工業でモノを製造すれば、ある程度儲けることは可能だが、より稼ぐためには大量に製造しなければならない。そんな時に真っ先にぶつかるのが電力問題だ。トンジュらも口では『使わない工場を遊ばせるのなら、これを利用して国家の生産に貢献しよう』と言うが、本音では工場に供給される電気が目当てのようだ」(内部情報筋)

トンジュらは目当ての工場に電力がきちんと供給されていることを下調べてして、確認してから工場側と契約を結ぶ。

順天の「炭鉱機械工場」では北朝鮮の炭鉱で使用される機器一式のほとんどが生産される。鉄製品を扱うことから一般的な軽工業工場より多くの電力が供給されるのだ。賃貸料は販売利益の約30 %だ

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

しかし、こうした「工場賃貸」は、まだ一部の工場でしか行われていないようだ。また国家機密施設である軍需工場は、いくらお金を出しても無理だという。