中国当局が複数の日本人を「スパイ容疑」で拘束している事実が明らかになり、3週間が経った。マスコミはすでに関心を失ってしまったのか、報道は沙汰止み状態である。彼らに情報収集を依頼していた公安調査庁は、息を殺して事件が忘れられるのを待っていることだろう。

この事件およびその背景の報道に、マスコミはもっと粘り強く取り組むべきだと思う。なぜならこの出来事のせいで、日本の中国に対する情報活動は、痛烈な打撃を受けてしまったからだ。

公安調査庁は今回の事件を受けて、中国現地での情報活動をほとんど止めてしまったと言われている。

事件を報じたメディアの中には、公安調査庁が協力者に依頼して行っている情報活動について「レベルが低い」「素人同然」などと書くものがあった。しかしそもそも、中国現地で情報活動を行える人材や組織は日本にはほとんどない。協力者にそれを依頼できない事態になった今、日本政府は中国の軍事施設や中朝国境地帯の写真や映像すら見ないまま情勢判断を下さねばならないのだ。