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中国当局からすれば、実に簡単に日本の情報活動をつぶせたことになる。

もっとも、こうした出来事はこれが初めてではない。

公安調査庁にもかつて、「この人あり」と言われたエリート公安調査官がいた。北朝鮮情報で右に出る者なしとまで言われ、CIA(米中央情報局)など海外の諜報コミュニティーからも一目置かれる存在だった。

そんな彼の立場が、2001年12月に発生した北朝鮮工作船事件を境に暗転する。捜査の過程で、この調査官と北朝鮮の工作員、そして北朝鮮と覚せい剤取引を行っていた暴力団関係者の接点が浮上。さらには彼が北朝鮮側から情報を引き出すのと引き換えに、日本側の情報を提供していた疑惑さえ噴出した。

慌てふためいた公安調査庁は彼を地方に飛ばした上、飼殺しにしてしまったのである。