北朝鮮が朝鮮労働党創建70周年記念行事の後遺症に苦しんでいる。平壌での軍事パレードをはじめ、全国各地で様々な祝賀行事が行われたが、その余波で秋の収穫に多大な影響が出ていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。RFAの咸鏡北道(ハムギョンブクト)の農業関係者は語る。

「会寧(フェリョン)市では、中央の『10月10日までに収穫を終えよ』」という指示に従って収穫作業が進められていたが、結局期日までには半分ほどしか終えられなかった」

仮に協同農場の担当者が、この結果をそのまま報告すれば、市、道の労働党幹部まで連帯責任を取らされて処罰される。そこで「10月8日に収穫を終えたと虚偽の報告を中央に上げた」と農業関係者は付け加えた。

現場は、とりあえず処罰を逃れたが、その弊害が著しく現れる可能性がある。 同市の農場は、日照りや水害の被害がなく、1ヘクタールあたりのトウモロコシの収穫量は4.7トンから6トンと予想され、この数字が中央に報告されたと見られる。この通りなら特に問題はないが、もし実際の収穫量が予想量を下回れば農場員の生活には、多大な影響が出てしまう。

咸鏡北道の別の情報筋は「その年の予想収穫量は前年の収穫量を元に策定されるが、収穫量は毎年ごまかされている。年々、予想収穫量と実際の収穫量の乖離は開く一方だが、中央は報告を元に一定の比率で作物を供出させる。結局、農場員の取り分が非常に少なくなるという弊害をもたらしている」と語った。

また、収穫前に大雨などで作物に被害があったとしても、中央に供出する量は変わらない。机上の空論で農業を管理しようとするがゆえに、食糧難をもたらしているのだ。

金正恩体制は、一定の田畑を農民の自主裁量に任せる「圃田担当制」を導入。一定の成果を出していると伝えられているが、食糧事情を安定させるためには、農業分野における計画経済を見直すことが必要とされる。

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