これは、いずれロシアが北朝鮮の衛星打ち上げに協力するための伏線ではないのか。仮に、安保理常任理事国として拒否権を持つロシアが、何らかの形で北朝鮮の衛星打ち上げに協力することになれば、ゆくゆくは、国連の対北制裁が骨抜きになることにもつながりかねない。
ウクライナ問題やシリア問題を巡り、米国と対立の度を深めている現在のロシアであれば、そうした挙に出ることもないとは言えない。
北朝鮮の今回のIAF加盟は、そうした動きのひとつのステップではないのだろうか。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。