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セメントは早く固まるよう成分が調整されていたため、遺体がセメントともに固まってしまったからだ。収集は遺体をセメントから引き剥がすように引っ張るしかなかった。ようやく収拾した遺体を見ると、手や頭がもげてセメントの中に残っていた。

一方、大量の重傷者が搬送された17号病院も阿鼻叫喚の様相を呈していた。 次から次へと運び込まれる重傷者で、17号病院は、救急室も、病室も、廊下も、床は血だらけ。血をモップで掃き集めるとバケツがすぐにいっぱいになった。

手術は流れ作業のように行われた。負傷者に麻酔のガスを吸わせて、次から次へと処置を下していった。骨折してよじれてしまった腕は、人の手で元の方向に直した。胸から突き出た肋骨も、人の手で慎重に押し込んだ。

街宣車が「さっさと死ね」

大腿骨を骨折した患者が手術室に入ってきた。