ようやくセメントの海から引きずりだした負傷者を救急車に載せて病院に搬送する。未舗装の道を猛スピードで走る救急車。車が大きく揺れるたびに、体の切断された部位が痛むのか意味不明の言葉を喚き出す患者。
病院に着いた時は息があったものの、気道に入ったセメントが肺にまで入り込み呼吸困難に陥る患者が続出した。彼らは突然咳き込みだしたかと思うと、血を吐き、苦しむ胸をかきむしりながら死んでいった。
同時に遺体収集作業も行われた。当初はあまりの光景に震えるだけだった看護師たちも、アルコールを飲んだ効果があったのか、感覚が麻痺したのか、まるでゴミを拾うように肉片を手で掴んで担架にひょいひょいと載せていった。そうでもしないと、いつまで経っても作業が終わらないほどの状況だったのだ。
病院でもカメラマン失神
セメントに突っ込んで息絶えた人々の遺体収集作業は困難を極めた。