ちなみに、朝鮮総連が日本で運営する全寮制の朝鮮大学校(東京・小平市)の学生たちも、丸暗記まではしないにせよ、労作を繰り返し精読するよう課題が与えられる。
ある朝鮮大学校OBが言っていた。
「労作を読むのは本当に大変です。少し読み進むだけで、眠くて眠くてどうにもならない。一度も居眠りせずに読める人は、相当な精神力の持ち主ですよ」
かつてより意味不明瞭さが増した正恩氏の労作は、催眠作用もアップしているに違いない。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。